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~FROZEN TIME~ (とある3人の男女の会話)


AIRODO-1_convert_20081011062100.jpg
僕が幼少の時からあるそのお店は、
木造平屋の古めかしい作りの外観を覆うように
縦横無尽に蔦が絡まっていて、
「水色コース」を帰り道にしていた小学生の間では
『オバケ屋敷』と呼ばれていた。

あれから随分の月日が流れた。
鼻にツーンとくるウイスキーの香りや、
カウンターで談笑する人々の笑い声。
今では当たり前の光景だけど、
15才で初めてそのお店を訪れた僕にとっては
全てが見た事もない、新しい世界だった。

僕は精一杯の背伸びをして、
まだ慣れきってもいないタバコを格好よく吹かし、
まだ飲んだ事もない銘柄のBeerを注文した。

中学卒業と同時に社会に放り出された僕にとって、
自分の『居場所』とは無きに等しかった。
「真新しい世界、まだ覗いた事のない世界」
そんな若干の好奇心と、
大人と子供の狭間で揺れ動いていた気持ちが、
この店のドアを開けさける唯一のキッカケだったと思う。

その日、そのドアを開いてからもう20年近くが経った。
今でもそのお店は僕にとっては変わらない、
実家に帰れば必ず立ち寄る心地いい『居場所』だ。
どんな高級レストランよりも特別な意味を持った、
心の和む場所。秘密の基地。
000389_convert_20081011062030.jpg

「ちわー・・・」
「おっ。久しぶりー。」
「へへへ、お久しぶりです。」
「いつ帰ってきたの?」
「ん、ついさっき(笑)」
「さっきか?ハハッ。」
「...ちょっと早いけど、いいっすか?」
「もちろん!そこ座んなよ。ビール?」
「あー・・・んじゃ、コロナで。」
「あれっ!!サトシ君!?」
「ありゃっ。姉さんもいたの!?」
「今日バイト君が休みでねー、
ヘルプよ。ヘルプ。
ホラ、あたしも一応この人の嫁じゃない?」
「一応って...(笑)」
「アンタなんで突然帰ってきたのよ?」
「なんでって...(笑)」
「まだガチャガチャやってんの?」
「...姉さん相変わらず変わンないっすね(笑)」

「ほい、ビール。」
「どもっ。」
「それにしても久しぶりだねーっ。」
「うん。まさか今日姉さんがいるとは思わなかったケド。」
「とりあえず乾杯しよーよっ。」
「...姉さん、営業始まったばっかでしょ...?」
「いいの、いいの、お帰りなさーい!!」
「マスター・・・これでやっぱり5時、6時?」
「まあ...いつもの事だから(笑)」
「サトシも人の事言えないでしょ?」
「あははっ。そりゃそーですネっ。」

005_convert_20081011061913.jpg

~FROZEN TIME~
そんな映画を観た。

002_convert_20081011061833.jpg
意図的なのかそうでないのか、
このお店にある幾つもの壁掛け時計は全て止まっている。
ふと、少し古びた店内を見回すと、
どこかで15才だった僕の面影が垣間見える。
どんなに年齢を重ねても、どんなに大人ぶっても、
マスターや奥さんの記憶の中では、
あの頃の僕はあの頃の僕のまま、フリーズしているのだろう。

「あのコどーしてる?」
「あのコって...?」
「ほらー、ママちゃんよママちゃん、どっかのお店の」
「姉さんさ、いっつもそれ聞くよね(笑)」
「だってインパクトあったじゃない!」
「ふう...そんなん時効だよねえ、マスター。。」
「ははは。」
「じゃあさ、あのコは?なんって名前だっけ?ホラ...」
「姉さん、シャラーップ!!」

「サトシ君今年で32になったンだっけ?」
「うん。こないだのワンマンも○○さん来てくれてて。」
「良かったって言ってたよ。サトシ頑張ってんなーって。」
「オレすぐステージから見つけてね、ああ、来てくれてたって。」
「アンタもう32!?うそー!!あのガキンチョが!!もうオッサンじゃん!!」
「...姉さん、頼むからシャラップ...」

まったくこの二人には逆らえない(笑)
僕の10代からの明も暗も唯一知っている人達だし、
僕が付き合ってきた彼女も全員知ってる(笑)

NZに旅立つ日、デビューが決まった日、
CDを初めてリリースした日から「夢の最果て」まで。
帰路に立つ度に僕はこのお店にくる。
いくら僕が大人ぶっても、
ここでは15才の生意気な「サトシ」のまま。
...フリーズ。
そんな風に接してくれる事がなにより嬉しい。

会計を済ませて、「ギイー」っと唸るドアを開ける。
外気を吸って、少し冷たくなった空気を感じたとたんに、
再び時計の針が動き出すのが分かる。

前に進むばかりが人生かな?
富や名声を求めるばかりが全てかな?
立ち止まり、振り返る事も時には必要な気がする。
特に僕の様な、不器用な人間にとっては。

埼玉県、入間市の片隅に、
いつでも好きだった自分に戻れる場所がある。
ありのままの自分でいれた瞬間。
無我夢中で夢を追いかけていた自分。
そのままそっとしておきたい過去。

~FROZEN TIME~

ここに来ると、純粋なココロを持ったまま、
大層な夢を掲げて、フリーズしていた自分がいた事を思い出す。
あの頃の僕は確かにここにいた。
少なくとも時間に惑わされないこのお店では、
時間を止めて、永遠に繋がる一瞬を生きる事が出来る気がしていた。

お店の名前は『AIROAD』
もし、近くに行った時には、ぜひ立ち寄って欲しいお店です。
000029_convert_20081011062123.jpg
映画も面白かったよ~っ。
ボクちんまだ実家で休養中...(笑)
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06:52 | my routine life | comments (6) | trackbacks (0) | page top↑
羽。 | top | 潜水服は蝶の夢を見る。

コメント

#
こうゆう日記に弱いです・・・(ちょい泣)

それにしても
西沢さんの白くて細い、綺麗な手がうらやましい(笑)
by: スピ | 2008/10/12 22:13 | URL [編集] | page top↑
# 止まったままの時間の流れ
あ~素敵なことですね。

私にもそんな場所あるような気がします。

いつもおなじはなしをする自称アーティストがたくさん集まる画廊か、私をいつまでも子供扱いする店長と私をいつも気にかけてくれる友人のいる雑貨屋が、きっとそれ。


止まったまま動いている15才のサトシさんに会いに行ってみたいですね。
by: 久しく美しくあれ | 2008/10/11 18:40 | URL [編集] | page top↑
# 止まったままの時間の流れ
あ~素敵なことですね。

私にもそんな場所あるような気がします。

いつもおなじはなしをする自称アーティストがたくさん集まる画廊か、私をいつまでも子供扱いする店長と私をいつも気にかけてくれる友人のいる雑貨屋が、きっとそれ。


止まったまま動いている15才のサトシさんに会いに行ってみたいですね。

by: 久しく美しくあれ | 2008/10/11 18:39 | URL [編集] | page top↑
# 素敵ですね(*´ω`*)
いいですねそういうの
私もそういう居場所が欲しくて地元で色々と飲みに回ってます(笑)
うちの近くにそういうお店がないのが残念ですが…

何年経っても変わらずに『自分』でいられる空間。。。行ってみたいです(*´艸`)

まだオフ中ですか?素敵な居場所でリフレッシュして、またお仕事頑張ってくださいね
by: ゆい | 2008/10/11 11:11 | URL [編集] | page top↑
# 止まった時計
『夢の国・ディズニーランド』に“時計”と言われるものが置かれていない。
何故だか分かる??
『現実の世界から引き離す為』なんだって。
粋なコトをしてくれるよね(笑)

時計は、いつでも現実の時間を刻んでいる。
それによって、人は瞬時に現実を知る。
どんなに楽しい時間やワクワクしている時間でも、今を刻んでいる時計を見てしまうと今までの出来事が夢になってしまう。
時として、それは必要なのかもしれない。
でも、いらない時もある。
というより、必要としたくない時がある。

そのお店の時計が止まっているのもわざとだと私は思いたい。
外観もマスターもお嫁さんとなった姉さんも皆 昔のままなのは、今を走る人たちにほんの少しの休息を与える為に変わらないのだと思う。
今の時間で、外観等が変わってしまっていたら、休む場所がなくなっちゃうからね(苦笑)
ある意味『計算された場所』かもしれない。
でも、人は時として“現実から離れる瞬間”が必要だと思う。
ロボットではない私たちは、走り続けるコトにムリが出てくる。
そんな時は、休める場所が欲しい。

私の中で、その時間はさっちんのライブでもあったりするんだけどね。

P.S.しゅうかちゃんと仲良くね♪
また『しゅうかとちゃーちゃん』の話を聞きたいなぁ~。
by: ilma | 2008/10/11 10:55 | URL [編集] | page top↑
#
v-22いつ行っても「おかえり」とあったかくむかえてくれる。
実家と同じ位やすらげる場所があるなんて素敵。いいな~
「AIROAD」一度いってみたいな。ゆっくり
休養して下さいね。
待ってま~す。
by: haruyo | 2008/10/11 09:15 | URL [編集] | page top↑

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